令和元年度 彫刻作品公開制作
平成29年度から武蔵野美術大学と連携している事業「アート・タウン・プロジェクト〜彫刻作品公開制作」を令和元年度も実施しました。彫刻作品公開制作は武蔵野美術大学が推薦する作家などが本町に滞在し、彫刻作品の制作作業を公開するものです。1年目(平成29年度)は、山本麻璃絵さんに木彫「くわ・くわ・くわ」、2年目(平成30年度)は松尾ほなみさんに石彫「うんま」を制作していただきました。いずれも訓子府開拓の歴史をテーマとし、令和元年度は戦後の飛躍するまちづくり(昭和20年から昭和63年ぐらい)の時代を「鉄」で表現していただきました。
(左)山本麻璃絵さんと木彫「くわ・くわ・くわ」 (右)松尾ほなみさんと「うんま」
作者
作者は武蔵野美術大学彫刻学科の課程を修了された、李旭(り・あさひ)さん(右)と細井えみかさん(左)です。お二人とも金属彫刻を手掛け、共同で作品づくりを行うなど、ご活躍されています。
公開制作
令和元年度の公開制作の場所は、菅野養蜂場倉庫兼作業場(訓子府町常盤、菅野富二さん旧宅)で行いました。作業場の隣には菅野さんの旧宅があり、そちらも宿泊場所として提供していただきました。作者のお二人は「彫刻作品公開制作を行うにはとても良い環境で作業がしやすいです」と話していました。
制作現場は例年より遠い場所にありましたが、たくさんの方に見に来ていただきました。
見学にきた方からは「なかなか見られない彫刻作品の制作を見ることができて良かった」「鉄を切るところや溶接するところを見ることができてとても面白い」「完成がとても楽しみ」など感想をいただきました。
作品「おきあがるもの」
約1か月の制作期間を経て完成したのはトラクターをモチーフにした高さ2メートル・長さ8メートルの大迫力の金属彫刻でした。制作期間中は「計画通りに作業が進まない」と話しており、毎日遅くまで作業していました。
作品コンセプト
訓子府町の農業を人や馬による手作業から飛躍的に進化させたトラクターをモチーフに、長い冬眠から目覚めた動物が春の日差しを浴びて活発に動き出したような連続した動きを鉄棒の構造で軌跡のように表現。金属の構造体が持つシャープかつソリッドなたたずまいと躍動感のある動きで訓子府町の、また町民の生き生きとした様を伝える。
作品はレクリエーション公園遊具前の斜面に設置されました。平成28年度に移設した水本修二さんの「関係空間」、平成30年度彫刻作品公開制作で松尾ほなみさんに制作していただいた作品「うんま」に加え、今回の作品設置で、さらにアートにあふれる公園となりました。
ぜひレクリエーション公園でご覧ください。